##「ガレージの中に閉じこもる開発者達」
そこはまるで昔通っていた中学校の部室か、またはガレージのような感じの、窓がなくコンクリートに囲まれた部屋であった。
f「 元気にしてた?」
α「ああ、まあまぁな」
そう言って、ルームメイトはコンクリの上に敷かれた板の床で寝そべりながら応えた。
オールドminiが二台停められる程度の、そこそこな広さ部屋であったが、窓が無いので中の空気は澱んでいる。
f「二週間ぶりに戻って来たけど、相変わらずだな。換気するぞ。」
α「ああ、シャッターも開けといてくれ」
ルームメイトはそう言って、寝そべり何やらゴニョゴニョと唱えながら考えて込んでいた。
2人はあるAIの開発をしている。それは、人の目のと表示と声からその人たちの真意を読み取るAIアルゴリズムの開発だ。
いわゆる読心術が出来るAIアルゴリズムを「Eyes(アイズ)」と彼らは名付けていた。
(続く)